角川スニーカー文庫より出版(完結済)。
夢をテーマにした作品でせつなかったり、かっこよかったり、そんな思い出深い作品でした。
著者は岩井恭平、イラストレーターはるろお
あらすじ
人の“夢”を喰う代わり、寄生主に超常の力を与える“虫”が出現して10年が経った近未来の日本。県立桜架東高校一年D組“薬屋大助”は、一人の少女・“杏本詩歌”と出会い互いに強く惹かれあう。だが詩歌は“虫憑き”を収容する極秘施設“GARDEN”からの逃亡者“ふゆほたる”だった!“特別環境保全事務局“通称”特環”は、最高のエージェントにして最強の虫憑きである“かっこう”に出動を命じ、容赦なく詩歌を追い詰めようとする!そこへ“レイディー・バード”率いる、レジスタンス組織“むしばね”が現れて・・・。それは、夢みる者たちのせつなく激しい想いが織りなす、聖夜の戦記。
dアニメストアより引用
ここ好き
主人公(カッコウ/薬屋大助)が好き
「悪魔」と呼ばれるダークヒーロー
主人公は、政府の虫憑き対策部隊、通称「特環」の1号指定の虫憑きです。
この設定がすでにかっこいいですが、ダークヒーロー的要素も大変にかっこいい。
この世界において、ムシ憑きは政府に存在しないものとして、捕縛・隔離されるため、ほとんどのムシ憑きは政府及びその機関である特環に良い気持ちを持っていません。
理解されないながらも闘い続ける姿に、熱いものを感じざるをえません。
フィジカルメインのバトルスタイル
虫憑きたちは基本的に取りついた虫を使って戦います。
なので基本的なバトルはポケモンのようになるところ、この主人公は同化型という珍しいタイプです。
虫で自分の肉体を強化して戦うため、常にボロボロです。
それでも、この虫憑きの戦いの中心で最後まで立ち続ける姿はまさに主人公ですね。
るろおさんのイラスト
儚い世界観にあったイラスト
政府側も反政府側もみんな夢=命を虫に食べられた少年少女たちです。
なので、戦いは正義も悪もなくて、みんなそれぞれの願いのために切ない闘いです。
そんな空気感にマッチしたイラストは大変良いものです。
そして人気絵師へ
この作品がきっかけかはわかりませんが、るろおさんはラノベイラストにおいては有名な絵師さんになりました。
「機工少女は傷つかない」「俺の彼女と幼馴染が修羅場過ぎる」、そしてアニメ化も決まった「転生したら剣でした」などなど、今後もいろんなところで見たいです。
アニメ
2007年にアニメ化もされました。ただ、当時はwowow放送と放送先が限られており、話題性は大きくなかったのが残念です。
でも主題歌が好きだ
作画が飛びぬけて良かったわけではありません。
しかし、OP主題歌の「ムシウタ」、ED主題歌の「サヨナラ」、いずれも作品と大変マッチしており、定期的に聞きたくなる曲に仕上がってます。
1巻を1クールはやはり尺が微妙だったか
アニメ版は、原作1巻の内容です。それを1クールかけてやったため、どうしても尺の合わなさはあったかもしれません。とはいえ、キリが良いのも確かで。。。
今は劇場アニメも増えたので、劇場作品として、90分前後でやるとすごくマッチしたかもしれませんね。
コメント